オゾン水でピロリ菌の除菌ができるとされる件について

オゾン水でピロリ菌の除菌ができるとされる件について

オゾン水のことを調べていると、度々目にする話題があります。

それは、
 

  • オゾン水を飲んだらどんな効果があるのか
  • オゾン水を飲むと、ピロリ菌が除菌できるのか

というものです。

残念ながら、この記事にその答えはありません。

何故、答えが見つからなかったのか、あるいは、オゾン水を飲むことでピロリ菌が除菌できる可能性について私なりにまとめましたので、「オゾン水+ピロリ菌」に興味がある方は是非これを参考にして下さい。

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とは

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)とは

ピロリ菌の正式な名前はヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori)といいます。大きさは3~5ミクロン(1ミクロンは1mmの1000分の1の大きさ)にすぎませんので、目ではとても見ることができません。

この細菌は体の端に鞭毛を数本持っていて、これを使って胃の粘液のなかを活発に動いていくと考えられています。

わが国では40歳以上の大半の方がこのピロリ菌に感染していると考えられております。

若い人の感染率は低くなっていますが、それでも日本国民の半分にあたる約6千万人の方が感染している計算となります。

このように大変多くの方々が感染しているだけでなく、ピロリ菌は胃炎や胃潰瘍のほかに胃がんや胃のリンパ腫などの重大な病気にも関わりがあることがわかっています。

日本消化器病学会 ピロリ菌関連の胃の病気とその予防・治療

また、WHO(世界保健機関)の国際がん研究機関は、ピロリ菌除菌に胃がん予防効果があることを認め、各国ごとにその戦略をたてるようすすめています。

つまり、日本国民の約6千万人の方が感染しているピロリ菌は、胃炎や胃潰瘍のほかに胃がんや胃のリンパ腫などの重大な病気の原因であることは間違いないようです。

オゾン水でピロリ菌を除菌できるとされている理由

オゾン水でピロリ菌を除菌できるとされている理由
高濃度のオゾン水はフッ素に次いで除菌効果が高く、アルコール除菌の7倍程度の除菌効果があります。

加えて、その安全性の高さです。

オゾンの化学式は「O3」ですが、その内の1つのO(酸素原子)は、菌やウイルスを見つけると、すぐさまアタックして菌やウイルスとともに消滅します。

3つのOの内、1つのOが菌やウイルスとともに消滅するわけですから、残るのはO2(酸素)だけです。

そのため、「除菌効果がきわめて高く、安全性もバツグンだから、それを飲んで胃の中のピロリ菌を除菌できます!」というのが、オゾン水でピロリ菌を除菌できると主張している人たちの基本的な考えです。

私は、オゾン水はピロリ菌の除菌に有効だと考えています。ただし、それはオゾン濃度を保ったままオゾン水が胃まで到達できたらの話しです。

オゾン水のオゾン濃度を保ったまま胃まで届くのか問題

オゾン水のオゾン濃度を保ったまま胃まで届くのか問題
たとえば、乳酸菌は高い整腸効果が期待できることで知られています。

そのため、乳酸菌を大量に含んでいるヨーグルトやサプリ・整腸剤などを毎日摂取している方も少なくないはずです。

しかし、乳酸菌はとても熱や酸に弱いために、胃に到達した時に胃酸に溶かされてしまうので摂取した乳酸菌のほぼすべてが死滅してしまうことをご存知でしょうか?

ここに、ピロリ菌をやっつけるレベルの高濃度のオゾン水があるとします。

口に含んだ瞬間に、ほぼすべてのオゾンが口内の菌と分解作用を起こし、濃度は一気に低下するはずです。

仮に、それでもある程度の濃度を保って、口内を通過したとしても、胃までの間、あるいは胃に到着する頃には、ほぼオゾン濃度0になっていると考えるのが普通です。

そのあたりのことについて、ネットで調べまくりましたが、具体的なことが書かれている記事は皆無でした。残念。

何故、私がそう考えているのかというと、たとえばここに5ppmの高濃度オゾン水をためたボウルなりバケツがあるとします。

そのオゾン水の中に、野菜や果物、あるいは赤ちゃんのおもちゃなどを入れます。

すると、5ppmあった濃度は、あっという間(数十秒程度)に0.5ppm以下になります。その後、1分もすれば0.3ppm以下程度になります。

これは、オゾン水の中のオゾンが野菜や果物、赤ちゃんのおもちゃに付着した農薬や菌、ウイルスなどと分解作用を起こすからです。

菌やウイルスがそこにあれば、それらの菌やウイルスに対し、すぐさま分解作用を起こし、オゾンは菌やウイルスとともに消滅し、酸素に近い状態に戻る。これがオゾン水の濃度に関する基本的な性質です。

そのような性質を持つオゾン水が、菌やウイルスがたくさんいる口内から食道を通過し、さらには胃酸なども発生している状態の胃に濃度を保ったまま届くのか。私は甚だ疑問に思います。

これはオゾン水でピロリ菌の除菌が可能であると主張するクリニックのウェブサイトに書かれいていることです。

オゾン水の場合では抗生物質を使用した時のような耐性菌が出来る事もありませんし、飲んでも無害です。ピロリ菌の除菌も自由診療で行うことが可能です。

このように、主張されているクリニックを見つけましたが、具体的なことが何ひとつ書かれていません。

オゾンは菌やウイルスにすぐさまアタックして分解作用を起こすことに加え、オゾン水には持続性がないこと。この2点がオゾン水の性質です。

それに、調べても調べても「オゾン水でピロリ菌が除菌できる」という合理的な理由が何一つ見つかりませんでした。(事実としてそういうことがあれば今の時代、ネットでそれらしい情報をいくつか見つけられるはず)

以上のことから、オゾン水のオゾン濃度がある程度保たれたまま胃に到達することはない。

つまり、「オゾン水を飲むことでピロリ菌は除菌できない」これが私の見解です。

現在の日本では保険適用外でも効果が高い治療があることは間違いない

オゾンを利用した治療は保険適用外
現在の日本ではオゾン水を利用した治療に対し保険が効きません。(海外ではオゾンを利用した治療に保険が適用できる国はたくさんあります)

しかし、保険が効かないからといって、すべての保険対象外の治療が眉唾ものであるとはかぎらないということを私は知っています。

たとえば、カイロプラクティック。

カイロプラクティックは、日本では保険治療として認められておらず、全額自己負担となっています。

しかし、現代医学が苦手としている諸症状に対し、「適切なカイロプラクティック」は確かな医療効果を出していることはあきらかです。

それに、炭酸泉治療というのをご存知でしょうか?

日本で炭酸泉治療と聞くと、「炭酸泉パック」や「炭酸泉トリートメント」「炭酸泉でお肌ツルツル!」など、その効果が怪しいものばかりの印象がありますが、本格的な炭酸泉を利用した治療は医療先進国のドイツをはじめ、欧米各国では保険適用されます。

あげればキリがないほど、「現在日本では保険適用外だが、効果があるもの」はたくさんあります。(当然、効果がないものはもっとたくさんあるはずですが)

ですから、私は現在日本で保険適用外だからといって、そのすべての治療の効果を否定するつもりは毛頭ありません。

野菜や果物をたくさん食べてピロリ菌を抑制するほうがよっぽど現実的?

野菜や果物をたくさん食べてピロリ菌を抑制するほうがよっぽど現実的?
WHO(世界保健機関)は、「野菜・果物は、ほぼ確実に胃がんのリスクを軽減するもの」としています。

これは、野菜や果物には、カロチノイドやビタミンCなどの発がんを抑制するといわれる成分が豊富に含まれているからです。

オゾン水を飲んでピロリ菌を除菌するだなんて非現実的なことに時間をかけるなら、オゾン水で農薬を除去した野菜や果物をたくさん食べて発がんを抑制することの方がよっぽど現実的です。
 

  1. オゾン水で農薬が除去できる(資料豊富)
  2. オゾンバスターで高濃度オゾン水が作れる(濃度計で確認済み)
  3. オゾンバスターで作ったオゾン水で農薬が除去できる(①+②)
  4. 野菜や果物をたくさん食べたら発がんを抑制できる(資料豊富+世界保健機関も断定している)

あなたはどう思われますでしょうか?

今後、オゾン水を利用したピロリ菌の除菌について、興味深いデータを発見したら紹介したいと思います。

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